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カテゴリー「企業」の54件の記事

2019年1月15日 (火)

再び、若きスラッガー

 昨年も彼について記した。

 2018年2月1日 http://kasa.air-nifty.com/blog/2018/02/post-2472.html

 今年も彼の記事を見かけたので、記事を抜粋・引用する。

 横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智選手(27)は報道陣を前に「昨年はスポーツ界でよくない問題点が浮き彫りになりました。時代は明らかに違う。スポーツ界が変わらないといけない。子どもたちのため。変わっていく必要がある」と語った。彼は昨年、「指導者の方が、指導というより暴言、罵声、事細かい指示が行われている。子供たちはできないのが当たり前。なぜそれに怒っているのか」とスポーツ界の問題点を指摘した。「小さいころから細かいことを詰め込み過ぎるとスーパースターは生まれにくいと思います」。

2018年11月23日 (金)

偶合か

 企業のガバナンスやコンプライアンスが問われる事件へと発展した日産自動車の外国人会長による巨額の報酬隠蔽事件。

 数ある報道の中で、ある“指摘”に唸らざるを得なかった。

 日本航空、オリンパス、カネボウ、東芝、スルガ銀行、そして日産自動車

 これら過去に粉飾決算等による事件を起こしたことがある企業が、同一の監査法人を使っているという指摘。

 当該監査法人は、「4大監査法人」の中で、上場企業のうち最も多くのクライアントを有しているというから、確率的にそうなることはやむを得ないのだが…。

2018年11月20日 (火)

コストカッターの末路

 2012年頃、仕事で武蔵村山市を訪れる機会があった。西武拝島線・武蔵砂川駅から2㌔ほど離れたところにある企業に向かう途中に、広大な空き地が広がっていることに驚いた。「日産の村山工場の跡地ですよ。今は宗教法人が所有しています」。タクシーの運転手がそう教えてくれた。

 ルノー(フランス)、日産自動車、三菱自動車工業の会長で、ルノー・日産・三菱アライアンスの最高経営責任者 カルロス・ゴーン氏(64)が有価証券報告書虚偽記載等の容疑で逮捕された。偽った報酬は巨額で、かつ、その手法が悪質だったとされている。他にも企業を私物化していたことによる複数の容疑がかけられている。

 彼の登場は衝撃的だった。業績不振に陥った日産自動車を再建するため、フランス・ルノー社から送り込まれた彼は、「日産リバイバルプラン」という再建計画を策定し、実行した。冒頭の村山工場は、その計画の中で閉鎖された。

 リバイバルプランは成功した。日産は世界各国で人員を削減し、下請け企業を半減させる等、購買コストを圧縮。2兆円以上あった有利子負債をわずか4年で完済した。結果、彼は「カリスマ経営者」となり、同時に「コストカッター」という異名がついた。

 事件の発覚には内部告発があったとされる。また、捜査には日産の社員が協力し、司法取引制度が適用されたという。例えそうであっても、日本を代表する世界的企業で、不正が「素通り」したことに寒気を覚える。

 彼は21世紀初頭を代表する歴史的経営者だった。が、既に過去形だ。彼には税金が「コスト」だったのだろう。

 もうひとつ。彼の後を追った「ミニ・コストカッター」たちは、この機会に“切られる側の人々”に思いを馳せるべきだ。コストカッターは他者を切ることで、自らの報酬を上げる。ほとんどのコストカッターたちは、自らの身を削らない。

2018年11月18日 (日)

千載一遇

 今週はロシアとの領土返還交渉がニュースになった。日本は北方領土の返還交渉で「四島一括返還」を標榜してきた。「標」はしるし。「榜」は立て看板。町の中でも唐突にそのスローガンを目にしてきた。山は動くだろうか。

 先週末、帰宅する路上で意気揚々と歩く人に会った。旧知の人だったので、名刺交換とわずかな時間、立ち話をした。1分に満たない立ち話の間、自分はほぼ一方的に喋り続けた。その理由はいくつかあるが、そうした最大の理由は、彼の話を聞きたくないからだった。名刺を見て、彼は滅多にない業務に携わっていることを知った。

 千載一遇という言葉は「千年に一度しかめぐりあえないほどまれな機会」という意味。1000年を生きる人はいないから、この言葉を使うときは「一生に一度、生涯に一度の稀な機会」ということになる。  

 彼が携わる仕事は「地域と共に」というもの。相当に使い古されている。「地域の企業、地域による、地域のための」…聞いていて嘘臭く、真実味に欠ける。日本において「地域」は衰退する。少なくとも中期的には。 

 企業に必要なのは経営者と実務家だ。しかし、起業に必要なのは夢想家と思想家ではないか。

 利益を最大する施策や究極の合理化・効率化施策はこれからでも間に合うし、第一、これまでも散々検討されてきたことだ。

 新たな企業文化、企業風土・風習、組織内の価値観…これらを構築する千載一遇の機会を得ていることに、彼や彼らは気づいているだろうか。

2018年8月12日 (日)

餓鬼

 ①東京商工リサーチは銀行の年間平均給与を発表した。トップは5年連続で三井住友銀行(810万円)。2位はスルガ銀行(800万円)だった。スルガ銀行は前年3位から順位を上げた。

 「大手行の給与を超える地方銀行」というのは誰かの金融小説のようで聞こえはいいが、歪(イビツ)なグラフは疑ってみる必要がある。

 ②スルガ銀行のシェアハウス関連融資問題で、行員がダミー会社を次々に設立して融資を拡大させていた実態が明らかになった。ある不動産業者が販売するシェアハウス向け融資を当時の役員が禁じたものの、ある支店長の指示により、実際にはこの業者が販売したシェアハウス案件なのに、ダミー会社を使って別会社の案件と偽って融資を再開。審査部門に見つかると、新しいダミー会社を次々作って、関連融資を続けたという。

 「餓鬼(ガキ)」という言葉が浮かぶ。

 「餓鬼」は常に渇き、常に飢えている。

 彼、彼らは、なぜ渇き、何に飢えていたのか。

 この構図はオウム真理教が犯罪集団に変貌して行った構図と何ら変わらない。

2018年7月31日 (火)

リテンション

 英語の retention は「保持・保有・停滞」の意味を持つ。今、この「リテンション」が企業の経営課題になっているという。社員の「定着・引き留め」の意味で使われる。

 - 人手不足・人材不足の暴風が企業の化けの皮を剥ぎ、慌てた経営者たちは「リテンション」に躍起になっている - 滑稽だ。それはもう手遅れだろう。

 組織の中核を担っている人材とは、表面上ではフォワード的人物、点取り屋、つまり収益をあげる人材のことを指すが、組織を支えている人材はディフェンシブな人物、危機を未然に防いでいる人材のことだ。そのような役割を背負った人物が辞めた時、組織はどんな対応をするのか。退職者から学ぶことを反復できない組織は滅びる。人を大切にしない会社は生き残ることができない。

 不思議なもので、決壊前のダムからは、まず清流が流れ出す。やがて黒い川を堰き止めていたダムが決壊した時、そこから我先にと流れ出すのは濁流だ。そして、それらすべてが流出した後で、また清流に変わる。

 今日7月31日は節目の日。

2018年7月 6日 (金)

高給で最低な仕事

 ネットニュースから2つ

①国内29の銀行で投資信託を買った個人客の半分近くが、運用損失を出していることがわかった。運用成績は銀行ごとに大きな差異がみられ、各行の販売・運用姿勢や商品の品揃えが、顧客の資産形成に影響を及ぼした可能性がある。金融庁が主要行9行と地方銀行20行で投信を買った客の今年3月末と購入時の投信の評価額を比べた。手数料を引き、実質的な手取り額で試算すると、46%の顧客の運用損益がマイナスだった。(株価が上昇基調で)比較的損をしにくい環境のなかで、多くの人が損をしていたことになる。金融庁によると、平均で10%以上の運用益を出している銀行が6行あった一方で、平均の運用損益がマイナスだった銀行も1行あった。(朝日新聞デジタルから抜粋して引用)

 投資信託という金融商品は「顧客が資産運用する商品」としてあるのではない。「金融機関が収益を獲得する商品」としてある。

 心ある者、志ある者の微かな声が、少しずつ、僅かに、狡猾な経営者やニセ・エリートたちを追い詰めて行くはずだ。

②スルガ銀行のシェアハウス向け不正融資問題で、当時の役員が書類の改ざんを主導した疑いが明らかになった。当該役員は販売業者と協力して融資手続きを進めるよう支店に指示。支店長らに預金高や年収を水増しすることを促し、審査担当役員には改ざんを見逃すよう強く要求した。営業部門の幹部は融資に難色を示す審査担当者を恫喝していたという。(毎日新聞から抜粋して引用)

 根元的な融資とは「顧客(個人や企業等)の生活・産業・社会の質の向上や基盤整備のために資金が融通されること」。しかし、現在、多くの金融機関で融資とは「業績を評定するための重要な指数」に過ぎない。その数字を伸ばした者が出世し、伸ばせなかった者が脱落する。

 確かに元・役員は逸脱し、暴走した。だが、その罪悪は本人だけが負うものではないだろう。組織の風土や“やった者勝ち”のレールはいつから、誰が、どうやって敷かれてきたのか。また、従わざるをえなかった者たちの罪は免罪されるだろうか。自分はそうは思わない。

2018年6月23日 (土)

新幹線「ひずみ」

 6月15日 山陽新幹線のぞみ176号が博多・小倉駅間を走行中に接触事故を起こし、1人が亡くなった(自殺と推定されている)。緊急停車し点検したところ、先頭車両の前頭連結器カバーが壊れ、内側から遺体の一部らしきものが見つかった。

 ① のぞみ176号の運転手  「ドン」という何かがぶつかる音を聞いたが運行を続けた

 ② 停車中に車両頭部の破損を確認した駅員  「違和感を感じたが異常とは思わなかった」

 ③ 記者会見した副社長  「(カバーはプラスチック素材で重量がなく)直ちに危険というわけではない」

 JRは鉄道という輸送機器を定刻どおり運行する会社になってしまった。そのことが最大のサービスと考えているのだろう。おそらく、そのことが組織では大義、至上命題となっている風土や文化が垣間見える。運転手にも駅員にも組織上層部にもまるで危機感がない。

 大義を語る者は、実は大義などはどうでも良く、自身の保身、自身の出世が第一義であることが多い。

 乗客が札束か硬貨に見えている「危険な会社」。危険な会社の乗客にはなりたくない。

2018年6月21日 (木)

地方で生き延びる企業

20180609_2 地方や田舎では、次のようなことがよくある。

 優良企業A社があるとする。

 「A社はX地区では歴史ある優良企業かもしれない。しかし、Y地区、Z地区でA社を知っている者はいない」 そう話している取引先B社。

 「B社はN県では歴史ある優良企業かもしれない。しかし、T都、O府でB社を知っている者はいない」 その話をしているのは取引先C社。

 「C社はJ国では歴史ある優良企業かもしれない。しかし、U国、F国でB社を知っている者はいない」 つまり、キリがない。

 地方で生き延びることとは、目の前のA社との取引関係を維持・向上させること。

 FacebookやAmazon、AppleやNetflix、そしてGoogleを満足させる提案ができるはずもないからだ。

2018年6月 5日 (火)

不機嫌罪

20180605 アジサイが開花の準備を始めた。まだ何色か正体を見せないこの時季のアジサイも美しい。今年は梅雨入りが早いという予報が出ている。

 昨日の話を引きずる。客として標準以下のサービスを受けた場合、それがモノであれば返品することができる。人(接客)の場合、クレーム・苦情を入れることもひとつの方法だ。しかし、多くの人は泣き寝入りしたり、「もう2度と使わない」と心に決めて、その感情をやり過ごすのではないか。

 「やり過ごせること」ができる状況ならば、心のスリ傷はやがて消える。これが職場環境になると話は深刻化する。多くの職場では「やり過ごすこと」が難しいからだ。心のスリ傷は治癒する時間もなく、またそのキズ口が傷つけられていく。

 自分が仕事のパートナーとして信頼する人は、仕事ができる人ではない。職場で最も元気な人でもないし、営業成績が1番だったり、事務や細則を熟知している人でもない。もちろん、肩書きも信じていない。自分が最も信頼する人は「気持ちが安定している人」だ。

 人には人格・性格があり、例えば明るい性格、普通、暗い性格がある。テンション高め、標準的、低めというのもある。積極的、平均、消極的など、あげればキリがない。その中で自分が信頼する人は明るい人ではないし、積極的(あるいは前向き)な人でもない。「気持ちが安定し、抑揚が少ない人格の人」を信頼する。 

 日によって、気分によって、こちらが異なるアプローチを要するというのは困る。だから、自分が最も嫌悪するのは「不機嫌な人」ということになる。不機嫌な人は「不機嫌の悪影響」知らない。不機嫌は甘えであり、不機嫌は罪なのだ。「情緒が安定している」、「感情の起伏が少ない」、「気持ちが安定している」ということは極めて高い能力だと信じている。

 働く者たちは、自分が暮らすため、生きるため。家族が暮らすため等のために働いている。その労働力は企業を通じて社会の発展に寄与する。そして、普段はそんなことは誰も考えないが「今よりも上質な社会を作るため」にも貢献している。そんな共通認識(というより、マナー)を持つ者の集団ではパワハラは生まれないように思う。パワハラは「不機嫌な人」に多く発生する。

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