アクムノマスク
2020年に新型コロナウイルス対策として配布された、いわゆる「アベノマスク」。この布製マスク(不織布製よりも感染防止効果が薄いとされる)の在庫が約8300万枚ある。この大量在庫を無償配布する計画が持ち上がり、その費用が10億円と試算された。
これを受けて担当大臣は「配布コストをある程度かけても、国としては廃棄コスト以上のコストをかけてならないという理屈ではない」と「配送費の国費負担」を容認する姿勢を示した。
無恥な安倍氏を許容しない学者や評論家は彼の経済政策「アベノミクス」を「アホノミクス」と揶揄・批評した。自分は以前、このブログで「アベノミクス」とは「アクムノミクス」だと記した。それらをなぞって「アベノマスク」は「アホノマスク」であり、「アクムノマスク」だと言える。この布製マスクの調達には国費400億円以上が投入され、在庫処分(配布費用)に約10億円を要し、廃棄処分した場合の費用は約6000万円と試算されているからだ。
1976年に田中角栄元首相が収賄等の疑いで逮捕された「ロッキード事件」で、田中が収受した“賄賂(わいろ)”は5億円だった(1995年に最高裁で5億円収受を認定した有罪判決が確定)。もちろん、この比較には何の意味もない。しかし、田中は自身の私腹を肥やすことだけに囚われていた訳ではない(ロッキード事件は田中角栄の石油政策が原点とする中曽根康弘元首相の著書を信用)。
「アクムノマスク」の教訓は「ロッキード事件」のそれよりも重いと、個人的には考えている。
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