駕籠に乗る人 担ぐ人
9月3日 菅義偉総理大臣は今月実施される自民党総裁選に立候補しないことを表明した。真っ先に反応したのが株式市場。3日の日経平均株価は584円急騰し、その後も株価は上昇基調に転じている。マーケットの参加者は、次の首相とその政策に期待という先取りに動いているのだが、一国の首相が経済の重しになっていたという受け止め方もできる。
菅首相の選択については驚きもあったが、最近の表情や言動から、意外性や衝撃性はなかったように思う。田中角栄元首相(1918-1993)の秘書を長く務めた早坂茂三氏(1930-2004)に「駕籠(かご)に乗る人 担(かつ)ぐ人」という著書がある。菅氏は安倍前首相の駕籠をうまく担いだ人。駕籠に乗る人ではなかった。伊藤正義氏(1913-1994)のように、首相の椅子を固辞(1980年、1989年)した人もいる。
菅首相は長くはない在任期間の全てを新型コロナウイルス対策に追われた。その対応に批判の声もあったが、他の誰がやっても大差なかっただろう。そして、2020東京オリンピック・パラリンピック開催時の首相として長く映像記録に残されるだろう。
次期総裁選には7人前後の名前が取り沙汰されている。どの人物も「小粒」に感じるのは、自分が年をとったからなのか。
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