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2021年9月

2021年9月 3日 (金)

駕籠に乗る人 担ぐ人

 9月3日 菅義偉総理大臣は今月実施される自民党総裁選に立候補しないことを表明した。真っ先に反応したのが株式市場。3日の日経平均株価は584円急騰し、その後も株価は上昇基調に転じている。マーケットの参加者は、次の首相とその政策に期待という先取りに動いているのだが、一国の首相が経済の重しになっていたという受け止め方もできる。

 菅首相の選択については驚きもあったが、最近の表情や言動から、意外性や衝撃性はなかったように思う。田中角栄元首相(1918-1993)の秘書を長く務めた早坂茂三氏(1930-2004)に「駕籠(かご)に乗る人 担(かつ)ぐ人」という著書がある。菅氏は安倍前首相の駕籠をうまく担いだ人。駕籠に乗る人ではなかった。伊藤正義氏(1913-1994)のように、首相の椅子を固辞(1980年、1989年)した人もいる。

 菅首相は長くはない在任期間の全てを新型コロナウイルス対策に追われた。その対応に批判の声もあったが、他の誰がやっても大差なかっただろう。そして、2020東京オリンピック・パラリンピック開催時の首相として長く映像記録に残されるだろう。

 次期総裁選には7人前後の名前が取り沙汰されている。どの人物も「小粒」に感じるのは、自分が年をとったからなのか。

2021年9月 1日 (水)

内橋克人氏の訃報

 経済評論家の内橋克人氏が亡くなった。数冊の本しか読んでいなかったが、喪失感に襲われた。

 内橋氏の訃報には代表作として「匠の時代」が報じられる。残念ながら、その代表作は自分の本棚にない。あるのは「誰のための改革か」、「もうひとつの日本は可能だ」、「悪魔のサイクル」。すべて2000年代前半に書かれたものだ。

 2000年代前半。小泉構造改革による規制改革万能論、そして竹中平蔵氏に代表される市場原理主義の強風が吹き荒れた頃。これに対し、冷静で論理的、かつ、物静かな態度で批判を続ける内橋氏の姿が脳裏に焼きついている。

 内橋氏は資本の自由化・規制緩和が(労働規制緩和による)非正社員化、(フラット税制改革による)所得の二極化=貧富の差の再拡大、企業の淘汰・合併、外資化を産んだとした。全くそのとおりだろう。また、金が金を産むバブルの発生においては、超金持ちが出現するが、失業率は低下しないことを指摘し、その泡が鎮まる時、経済事件の発生や政治の腐敗が進むこと、やがて地域・地方は荒廃し、共同体が破壊されることを指摘した。これも全くそのとおりになっている。

 時を経て、地方都市の商店は失われ、庶民の暮らし、地方零細中小企業の暮らしは巨大資本とその系列業者に牛耳られることになった。

 内橋氏は単に立場の違う政策を批判する経済評論家ではなかった。冷静な分析、現場取材、弱者への温かい眼差し。真のジャーナリストだった。

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