ねじれた正義感
あるテレビ局の昼のワイドショーで司会を務める人物は、幼少からの芸歴が長いせいか、損得勘定の計算に長けている。
皇室の婚姻・婚約の問題。「婚約の延期」から1年以上が過ぎた。
彼が司会を務める番組では「どうしたら別れさせられるか」という意図・視点で取材された映像が流される。
「どうすれば二人は結ばれるか」、「二人の想いをかなえる方策は」という方向に議論は進まない。
たいへん失礼な話ではあるが、女性皇族は婚姻によって皇室・皇籍を離れる。もちろん相応の税金が諸々使われるだろうが、1億円(国民一人当たり1円のご祝儀)と考えれば、目くじらをたてる額でもない。その額が、一人当たり2円、3円となってもいいではないか。
いずれ一般人になるプリンセスが、一般人・民間人となる覚悟を持って選んだ青年を、四面楚歌に追い詰めて何が得なのか。
自分には、ワイドショージャーナリズムが、ねじれた正義感のように思えてならない。