2018.11 晩秋
BOOK・OFFでロバート・B・パーカーの「晩秋」を見つけた。
「スペンサー・シリーズ」などを遺したロバート・B・パーカー(Robert Brown Parker 1932-2010)の「晩秋」は原題が「Pastime」(娯楽)で「Late autumn」ではない。しかし、ストーリーは名作「初秋」(Early Autumn)を引き継ぐものだから出版社や訳者はタイトルに晩秋と付した。
「晩秋」は1992年の刊行(日本版)。シリーズはだいたい2千円くらいする単行本が出て、1年~2年後に文庫が出る。この文庫本が発売されるタイミングでシリーズを買い求めていた。全部で39冊のあるはずだが、氏の晩年の作品は手元にない。シリーズの中にはベストセラーのランキングに登場するものがあったが、日本語版未訳のものもあるようだ。
スペンサーシリーズの表紙は、単行本、文庫の区別なく印象的なイラストが使われていた。しかし、見つけた文庫本の表紙は文字だけのものだった。版権・使用料などの問題だろう。それでもデザインは洗練されていた。スペンサーシリーズの表紙にはもうひとつの「きまり」があった。そこにはスペンサーがクライマックスで話す言葉が綴られている
「真実が人を解放するとは限らない。しかし、偽りは絶対に解放しない」
「初秋」で自閉症だった少年が、10年後、立派に成長した姿を見せるのが「晩秋」だった。