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2018.10 文学に携わる者たちの良心

    http://kasa.air-nifty.com/blog/2018/09/post-1859.html

 差別論文を掲載、その後、それを擁護した特集を企画掲載した大手出版社刊行の月刊誌が休刊することを発表した。

 9月21日 同社社長は「あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現」があったことを認める声明を発表。

 9月25日 公式サイト上に「休刊のお知らせ」(以下、抜粋)を掲載。

 「創刊以来、多様なオピニオンを掲載する月刊誌として言論活動を続けてまいりました。しかしここ数年、部数低迷に直面し、企画の吟味や原稿チェックがおろそかになっていたことは否めません。その結果、「常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現」を掲載してしまいました。会社として十分な編集体制を整備しないまま月刊誌の刊行を続けてきたことに対して、深い反省の思いを込めて、このたび休刊を決断しました」

 資本主義国家にある私企業が利益追求する姿勢に異論はない。また、多様な考え方を世の中に発する媒体である出版物の重要性・必要性についても異論はない。しかし、今回の騒動(あるいは事件)は、むしろ“多様なオピニオン”を封殺するものだった。

 雑誌の休刊をもって、この問題が解決されたことにはならない。しかし、大手出版社が、あるいは「そこで働く者たち」が、自浄作用を働かせたことに、大多数の企業人たちは見習わなくてはならない。内部統制が機能したこと。そこに至る過程において「文学者たちの良心」、「文学に携わる者たちの良心」が原動力になったこと。

 “生き馬の目を抜く”ような、現代の利益至上主義社会。そこでは「自浄できる企業」のみが生存し続けることができる。その精神を失った企業は、決して単独では生き残れない。

 今日は2018年10月1日。企業が吸収され、合併されることは、単に経済合理性だけを求めた結果ではないだろう。興業の精神や企業が存続し続けていく上で、失ってはならない社会性や健全性、正常性といった精神を喪失したことの明確な証だと思う。