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2018.01 アクムノミクス

 2017年12月26日 安倍首相は2012年の政権復帰から満5年を迎えた。2018年秋の総裁選3選が有力視されており、東京オリンピックから1年後の2021年9月まで安倍政権が続く可能性が高い。

 安倍政権の最重要政策はアベノミクス。株高と連動する高い内閣支持率を政権の後ろ盾としている。アベノミクスの根幹にある「トリクルダウン理論」(Trickle down effect)は「富裕層が豊かになれば、その富が自然に中間層から貧困層に滴(したた)り落ち、最終的には全体に富が行き渡る」という考え方。

 資産価格の上昇を通じて富裕層・資産家の経済活動や投資活動は活性化されたが、その結果、富裕層と貧困層の格差は著しく拡大している。また、円安誘導策、法人税減税、設備投資減税等によって、企業の余剰資金は過去最高を更新し続けている。企業は余剰資金を賃金に振り向けることなく、庶民には景気回復の実感がない。

 ●日経平均株価 2012年12月終値:10,395円 2017年12月終値:22,766円 5年前比:+12,371円 増加率219%

 ●企業利益剰余金 2012年度:304.5兆円 2016年度:406.2兆円 4年前比:+101.7兆円 増加率33.3%

 ●内閣支持率(NHK世論調査) 2013年1月:支持64% 不支持22% 2017年12月:支持49% 不支持35%

 ●民間給与実態統計 2012年:413.6万円 2017年:425万円(推定) 5年前比:+11.4万円 増加率2.75%

 ●労働分配率(国民経済計算年次推計) 2008年度:72.2% 2015年度:67.8% 

 “潤う者”は何をしたのだろう。この間、富裕層の1千万円は2千万円に、1億円は2億円に、10億円は20億円になった。一方で“渇いた者”に雫は落ちたのだろうか。賃金は3%伸びた。11万円は、単に残業代が増えただけだろう。これが雫(しずく)なのだろうか。

 巷では「アベノミクス」を「アホノミクス」と揶揄する声もある。悪くはないが、言い得て妙という気持ちにはならない。

 アベノミクスは究極の“口封じ政策”であり、悪夢を見る“目隠し政策”だ。滴り落ちる富のおこぼれが欲しくて、体を曲げ、首を捻り、唇を丸めて、口先を伸ばす。

 「アクムノミクス」 これこそが最も実態を表しているように思う。