加害者としての被害者
大相撲の力士・貴ノ岩が付け人の力士に暴行したことが明らかになった。貴ノ岩は昨年、横綱(当時)日馬富士から暴行を受けた被害者だった。
相撲界に残る暴力体質、体罰の慣習は、これまで度重なる事件で白日のもとに晒されてきた。相撲界の悪しき伝統に加え、彼らモンゴル人の国民性やモンゴル出身力士のコミュニティがそういったものに寛容(日常的)である可能性もある。
才能に恵まれた力士が、その能力を発揮できないままで、引退したり、怪我に苦しんだり、頓挫することは、モンゴル人力士に支えられている相撲界にとって損失以外のなにものでもない。
これ以上、「被害者を出さない」ということはもちろん、「加害者という被害者を出さない」ためにも、相撲協会に課せられた責任は大きい。
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