亀よさらば
亀は長寿の代表格のような動物。これには「細胞の代謝が遅い」という生物学的な裏付けがある。亀は「浦島太郎」の伝説や昔話で、主人公を竜宮城に連れて行く。「鶴は千年、亀は万年」のことわざでは、長寿の象徴として扱われ、吉兆の意味を持つ。一方、「のろま」の象徴として扱われ、いくつか亀を用いた侮蔑表現がある。
人は時に、長寿に肖(あやか)りたいと亀を崇(あが)めてきた。人は時に、のろまな亀を馬鹿にしてきた。
亀は長寿ゆえ、のろまだからゆえに、常に人の隣にいたのだと思う。
亀は亀として生きる。亀以上でも、亀以下でもなく。
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