2023年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ

« 広報紙 | トップページ | 異邦人の生涯 1 »

2018年9月16日 (日)

「自由席」は「非指定席」

 新幹線などに「指定席」、「自由席」という区分がある(グリーン席など指定席のプレミア席は指定席に含む)。英語で指定席は「Reserved seat」、自由席は「Unreserved seat」などと表記される。英語の表記こそが事実であり、日本語の表記は見直さないといけないと思う。

 自由席では「自由」という言葉を使っているせいなのか、おかしな輩(やから)を見かけることがある。自由とは「自分の意のままに振る舞うことができること」とか、「勝手気ままなこと」。「わがまま」でさえ、言葉の意味としては正しいことになっている。「自由席」を「他から強制・拘束・妨害を受けないこと」という意味のとおりに理解してもやむを得ない面がある。

 先日、出張した際、こんな光景にでくわした。いつもなら事前に窓口で座席指定を受けるのだが、発車まで時間がなく、新幹線ホームに急いで駆け上がった。車内は適度に混んでいて、窓側の席はすべて埋まり、二人掛け、三人掛けの席も半数以上が埋まっていた。自分は車両の中央まで歩き、三人掛け席に一人しか座っていない席を見つけて座った。

 そこで隣の男性が(実際には真ん中にひとつ座席がある)携帯電話で話し始めた。さすがに小声ではあったが、車内で携帯を使って用件を足していた事実は変わらない。内容は仕事の指示で、何かの対応を急がせる内容のようだった。

 男性は部下(であろう)人物に指示を出す上司かもしれない(社長かもしれない)が、彼は一流の上司や社長ではない。彼は社長かもしれないが、紳士的な社長ではない。彼は社長かもしれないが、賢い社長ではない。彼は社長かもしれないが、上品な社長ではない。なぜなら彼は指定席(グリーン席を含む)ではない、自由席に乗り、車内で携帯電話を使い、何度も鼻をすすり、時たま咳をしていた。簡易テーブルにモバイルパソコンを置き、隣の席にカバンを置き、三人掛けの座席の二人分の座席を使用していた。彼は二人分の料金を払った訳ではないだろう。

 更に驚くべき事が続いた。男性は自分の降車駅が近づくと、後列の二名に声をかけた。彼らは同一グループだった。彼らは三人掛け座席を二列使用し、その六席を三人で占有していたのだ。なぜなら、そこが「自由席」だったからだ。

 「自由に振る舞っていい席」と解釈しているようだが、本来、「自由席」とは「非指定席」、「無指定席」の意味だろう。少々味気ない用語だが、「自由席」よりはマシだろう。

 「上品」というのは「品質」のことだと以前、記した。また、「上品」とは「我慢」のことだ。

 「なぜ金を払って我慢しなければならないのか」と主張する人もいるだろう。しかし、「我慢は自分のためにするもの」だと思うのだが…。

« 広報紙 | トップページ | 異邦人の生涯 1 »

西向きの窓辺」カテゴリの記事