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2018年9月18日 (火)

異邦人の生涯 2

20180916 画家 レオナール・フジタ 藤田嗣治(ふじたつぐはる 1886年-1968年)のことを知りたくなって、「藤田嗣治 異邦人の生涯 」 (近藤史人 2002年 新潮社)を買い求めた。1枚の「絵」(または「画」)から衝撃を受けたのは、速見御舟の「炎舞」以来だった。

 彼の生涯は旅だった。日本→フランス→日本→フランス→ブラジル→メキシコ→日本→フランス→アメリカ→日本→満州→フランス領インドシナ→日本→フランス→日本→フランス(「異邦人の生涯」巻末「年譜」から)

 自らの意志で旅立ち、時には旅立たざるを得なかった。旅の影響を受け、旅とともにその作風は変遷した。天賦の才能を持つ彼は、場所や時、境遇を選ばず、優れた作品を産み続けた。

 彼は晩年に洗礼を受け「神の子」となった後、北フランス・ランスの小さなアトリエで過ごした。彼は世界を渡り歩き、何事にも囚われない作風で作品を描いた。しかし、自らの人生は時代背景 “個人ではどうすることもできないもの” に束縛された。しかし、裏を返せば、キャンバスに時代に囚われる精神が色濃く反映するから、作品に命が宿るのだろう。

 日本と決別した彼は、自らが建てたランスの礼拝堂で眠っているという。

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