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2018年5月13日 (日)

猟犬の宿命

 2018年3月期の決算発表がピークを迎えている。“衰退”あるいは“斜陽”産業である地方銀行では増益決算が目に付くのだが…

 ①福島銀行は社長(日本銀行出身)の後任に同じ福島県を営業エリアとする東邦銀行の元専務を招聘(しょうへい)する。会見では両行が将来的に経営統合する可能性を否定したようだが、そんな訳はないだろう。

 ②スルガ銀行は、女性向けのシェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営する㈱スマートデイズが破綻した問題で、審査書類の改ざんを知りながら融資したとする社内調査結果をまとめた。行員数十人が関与したとみられ、金融庁は「不正は組織的だった可能性が高い」と見て行政処分を検討している。行員の中には融資実行の見返りとして、業者から金銭を得たり、接待を受けていたケースもあるという。スマートデイズは代理店を介し、ほとんどの購入者に「横浜市内の同行支店で融資を受けるよう」指示していた。

 「猟犬」は自身に課せられた「獲物を捕獲する補助」の役割を持っている。猟師と獲物を仲介し、時には獲物と格闘し、返り血を浴びることもある。現代の銀行員はこの猟犬の存在に似ている。

 返り血を浴びた銀行員たちを、気の毒に、不憫に思う。しかし、このブログでは繰り返し何度も記しているように、それは自身が招いた結果であり、境遇であることを忘れてはならない。戦争では上官に殺せと命令されれば、人を殺さなければならない。日本人や銀行員の多くは、その命令に背けない。だからこそ、戦争をしてはならない。

 “スマートディズの戦場”で、組織の命令に従った者は被害者ではなく、明らかな加害者であることを忘れてはならない。そのことを飼い慣らされた猟犬たちは理解できるだろうか。

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