変節
それまでの主義主張を変えることを変節という。どちらかといえば節操がないという意味を含んだ負のイメージを持つ言葉だ。「彼は変節した」と非難の意味で使われることが多い。
彼は考え方を「転換した」と言えば、それは柔軟に思考した結果という意味が込められる。「転向」になると思想的な意味に受け取られ、使う方が気をつけなければならない言葉になる。
いずれにしても、人は生きていく場面で考え方を変更することを余儀なくされることがある。世の中は決して変える人、変えない人という2つに1つで収まる世界ではない。変えなくて良い人、変えなくてはならない人がいて、変化を強いられる人、変化を強いる人もいる。どの人が良いとか悪いということもない。
ただ、考え方を変えた人にありがちなのが、「古巣」を攻撃する人が多い傾向があることだ。今は考え方が変化し、たとえ180度変わったとしても、当時はそう考える理由があったはずだ。その立場まで執拗に攻撃するのは大人げなく、悪趣味だ。
それは「あの頃の自分」を攻撃しているのと何ら変わらないのだから。
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