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2018年3月20日 (火)

ふるさとへ 廻る六部は 気の弱り

201803151 昨日から引き続き。藤沢周平氏、最晩年の随筆集「ふるさとへ廻る六部は」(1998年1月15日刊)。

 「 ふるさとへ 廻る六部は 気の弱り 」

 タイトルはこの「古川柳」から引用されている。「六部」とは全国六十六ヶ所の霊場を巡る修行僧のことで、「六部の足がふるさとへと向かうのは気の弱りからだ」という意味(異説もある)。

 藤沢氏はこの本で「世の中をぐるっと迂回して、興味がまた東北にもどって来た。本人は東北を認識し、あわせて東北人である自分を再認識するための旅と思っているのだが、ひょっとするとこれが、昔の人が言った“ ふるさとへ 廻る六部は 気の弱り ”ということかもしれないのである」と記している。

 読後感は良質な日本酒を飲んだ後に似ていた。大吟醸酒は最高級の酒米を50%以下にまで精米し、徹底して低温で長期発酵される。華やかな香りとよく「水のよう」と例えられるほどサラリとした飲み口が特徴だ。この本が華やかでサラリとしているかといえば、それは違う。余計なものを剥ぎ取って「小菅留治」(藤沢氏の本名)として書かれ、遺されている文章が酒米を極限まで磨き、杜氏が全身全霊をかけて醸した大吟醸酒の雫と似ているからだと思う。

 藤沢氏は人生の3分の2を東京で過ごしたが、自分は鶴岡人であり山形人、そして東北人であると語っていた。故郷への想いが筆圧を強くする。

    http://kasa.air-nifty.com/blog/2018/03/90-459f.html

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