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2018年3月30日 (金)

Down by the Mainstreet

 15歳の夏は長い夏だった。6月の中旬に部活を引退した後、夏休みまでひと月あった。夏休み直前、仲間4~5人で夜の学校のプールに忍び込み泳いだことがあった。翌日、そのプールでいつものように水泳部が練習している光景が不思議だった。昨日泳いだ夜のプールとはまるで違う場所のように思えた。違うのは時間だけなのに。

 夏休みはたいして受験勉強もせず、9月に行われる体育祭の準備に忙しく過ごした。仲間の何人かは違う何かに興味を持ち始めていた。夏休みを境に、それぞれが歩く人生の方角に視線が向いていた。わずかひと月かふた月前までは体育館でバスケットボールをパスしあい、ドリブルしているだけで、時は流れたが、もうその時計は動かないようだった。

 半年が経ち、春は短い春だった。ちょうど今頃の季節だ。卒業式のあと、別れを惜しむように友達と何度も会った。部活の仲間とは距離ができ、同じクラスの仲間たちと会うことが多くなっていた。

Mainstreet 浜田省吾のアルバム「Down by the Mainstreet」に収録されている「Edge of the knife」では、真夜中の高校のプールに忍び込んだ男女が、水着もつけずに泳ぐシーンが描かれている。 

 自分の年齢と浜田省吾のオリジナルアルバムを併記してみる。

 13歳 愛の世代の前に 14歳 PROMISED LAND 16歳 Down by the Mainstreet 18歳 J.BOY 20歳 FATHER'S SON 22歳 誰がために鐘は鳴る 25歳 その永遠の一秒に 28歳 青空の扉 33歳 SAVE OUR SHIP 37歳 My First Love 47歳 Journey of a Songwriter

 16歳で聴いた「Down by the Mainstreet」は地方の中小都市で生まれた少年たちが主人公だった。最も多感な時期だったからか、詩の中の少年と自分を重ねていた。金属の柵を越えて中学校のプールで泳いだのは1983年だ。「Down by the Mainstreet」は翌年の1984年に発表された。彼は「少年たちが金網を越えてプールに入ること」を知っていた。そして、その場面を歌詞として切り取ることができる。浜田省吾の能力や魅力はそういうところにある。

 彼のアルバムを順位付けすることはできないが「自分の人格形成に最も影響を受けたレコード(CD)」といえば、この「Down by the Mainstreet」になる。「Edge of the knife」は夏の歌で、夜のプールも夏の記憶なのに、自分にとっての「Down by the Mainstreet」は春のちょうど今頃のイメージで記憶されている。

 毎日顔を合わせていたクラスメイトとは卒業を機に会わなくなった。何人かは通学の電車で顔を合わせることがあったが、会話することもなくなっていった。

 あの春休みから34年の歳月が過ぎた。あの日以来、1度も会っていない友人もいる。友人は知人になり、今ではもう他人かもしれない。

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