ふるさとへ廻る六部は
藤沢周平氏、最晩年の随筆集「ふるさとへ廻る六部は」(1998年1月15日刊)。この本は藤沢氏が生前中に発刊された同名の文庫本(1995年5月刊)を単行本化した“逆パターン”の本。それには藤沢氏が前年(1997年)の1月に逝去されたことが背景にあり、追悼企画的な意図を含んでいたものと思われる。この単行本には2つの特典がある。
ひとつは装画。「文藝春秋」の表紙画を描いていた画家 平松礼二氏による装画は「ふるさとへ廻る六部は」の世界観を見事に描写している。
ひとつは口絵。藤沢氏自筆の「飄風不終朝 驟雨不終日」の書が収められている。
飄風不終朝 驟雨不終日 (老子二十三章)
飄風(ひょうふう)は朝(ちょう)を終えず、驟雨(しゅうう)は日を終えず
つむじ風は朝のうちに止んでしまう。にわか雨は一日中降り続くことはない。
勢いの強いものは長くは続かない。
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