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2018年2月18日 (日)

ママ症候群

20180216 こういう言葉や用語があるかわからないのだが… mama syndrome ママ症候群 / mama first ママ第一(優先) / mama ism ママ主義

 ブログやSNSなどで「ママを主張し過ぎると炎上する」ことがある。それが更にネットニュースになったりする。身近に起こった3つのことを記す。

 ①よく整備された歩道でベビーカーを押したママが2人、並んで向かってきた。歩道上でもこちらは右端を歩いている。彼女たちは仲良く会話しながら、歩道の左側から中央を占有したままこちらに向かってくる。こちらが通路を譲るのはやぶさかでないのだが、譲るにしてもかなりの「車線変更」を強いられる。

 ②シュークリームを買う行列に並んだすぐ後ろで、幼い子ども連れのママが、落ち着かない子どもに手を焼いている。いくらでも列を代わるのだが、1列前に出ただけでは何も解決しない。それよりも、無邪気を通り越し騒がしい子どもは、明らかに整然と並ぶ行列の“異端児”になっている。

 ③妊活だと言って有給休暇を取得する女性の代務は、彼女よりもひと回り以上年上で未婚の女性がやる。同じように産休に入ったママの代役は人繰りがつかないからとしばらく補充されない。仕事が減る訳ではない。そこには慣れないペットのような仕事が残される(慣れた者には目を瞑ってもできるのだが、慣れない者にとっては手がかかる)。

 ①と②については、弱者専用の座席や歩道、行列にレーンを設けるというのはわかりやすい対策だ。本来はそれが無くても受けとめる社会が望ましいが、それが根付くには時間がかかる。障がい者などが利用する駐車スペースの設置は現在では当たり前になった。喫煙・分煙スペースの浸透も急速だった。それでも首都圏などでは老人や妊婦などの優先席(以前はシルバーシートと呼んだ)が上手く機能していないという。座席やつり革の色を変えるなどしても、スマホのゲームに夢中になっている若者が多いとか。これは幼い頃からの躾(しつけ)の部類だろう。③については根が深いように思う。婚活や妊活が世間に認知される用語になり、以前はひっそりと進めていた秘め事すら、就活と同列に扱われるようになった。実感として「会社がそれを許容しなければならない」雰囲気に変わった。

 産休の代務は誰がやっているか。ママは女性だ。立場を入れ替えてはいけない。ママになる前の女性の味方、あるいは昔、ママだった人たちの味方。つまり、「ママは女性の味方」でなければいけない。現実を見て欲しい。産休の代務はいつも同じ人がやっている。やる人は4人、5人の代わりをやっている。反対にやらない人はたった1人の産休の代務もやらないで卒業していく。“それは会社が判断すること”だから関与しないのだろうか。

 (妊活中の人を含めて)ママは偉い。これには全く異論がない。特に、少子化が進むこの国でママは偉い。次に、ママだけが偉いかというと、そうではない。パパも偉い。ジイジもバアバも同じように偉い。ママたちの主張の核心は「ママたちが生きにくい社会構造そのもの」にあるのに、利便性が低いことや社会(あるいは会社や家族など)の認識が現代のママたちに追いついていないことに不満の矛先が向いている。ベビーカーで歩道の真ん中を進むことはいっこうに差し支えないが、2列はやめるべきだろう。寒風の行列に子連れで並ぶのはどうなのか。これらは「ママ症候群」や「ママ第一主義」が蔓延しているように思える。

 ママがやるべきことは、ママを含めた女性の働きやすさ = 生きやすさへの主張であり、老人や障がい者など弱者に配慮した社会構造への主張だろう。女性を分断するのではなく、共存共栄する主張。ママの地位を上げることは社会の質を良くすることにほかならない。弱者に優しい社会は、そこに暮らす全ての人が暮らしやすいはずだ。

 だから、政府に言おう。行政に訴えよう。企業に働きかけよう。ネットで匿名の書き込みをしても、それは暇つぶしにしかならない。貴重でかけがえのない子育て時代をママ症候群に罹患したままではもったいない。

  万人の福利を願うことが自らの福利につながる。自分や自分の所属する小社会のみの福利を願う人は利己的であって、そうすることは決してその人のためにはならない  マハトマ・ガンディー

     http://kasa.air-nifty.com/blog/20170901.html

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