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2018年1月12日 (金)

信越線 立ち往生

 1月11日19時頃、JR信越線の東光寺-帯織間で、乗客およそ430人を乗せた普通電車が積雪の影響を受けて立ち往生した。列車は翌12日10時半になって運転を再開した。運転再開まで15時間以上を要し、半数近くの人が電車で一夜を過ごした。

 深夜0時過ぎのニュース映像では、作業員が手作業で除雪をしていた。もちろん田んぼの真ん中でアクセスが悪い場所であることは知っている(当該地域の土地勘がある)。しかし、その光景はどこか「のどかな雪かき風景」のように映った。それは除雪を行っている人の数が、わずか数人だったからだ。 

 態勢  雪が降る時期に雪国で鉄道を平常運行し続けることは、簡単なことではない。とてもハードルが高い。基本的にはJR東日本新潟支社で鉄道運行に携わっている人々には感謝の気持ちしかない。かなりの昔話をすれば、「国鉄」の時代には保線員が多数いたし、沿線には土木工事等に携わる“人夫”も多数いた。それこそ「国鉄」がひと声かければ大勢の人夫が集まった。しかし、それはもうノスタルジーだ。雪国の鉄道態勢のデフォルト値が変わっている。

 体制  昨年末の「新幹線のぞみ台車亀裂事件」と根は同じ。判断・指示する立場にある人、または、それを助言できる立場に雪国の鉄道運行を理解した人物が置かれているのか疑問だ。これはどんな企業にもあてはまることだが、現場を熟知した者の判断が軽んじられる時に、事件や事故、不祥事、トラブルなどが発生する。そもそも当該電車は運転されるべきだったのか。羽越線脱線事故以降、人命・安全最優先は徹底されてきたと思う。しかし、それは運休という消極的安全策を選択する頻度が増えただけではないだろうか。ここ10年、自動改札化等の効率化・省力化投資は目に付いた。一方で耐雪対策投資はどれほど行われてきただろう。お世辞にも「雪に強くなった」とは言えない。体制のデフォルト値も変化した。

 体勢  体勢とは乗客を含む、雪国における社会の体勢だ。社会の基本的なインフラである鉄道の初期設定が変化した今、旧いルールのままでは自己防衛が難しい。昨日のような天候では、企業や学校が仕事や授業を早く切り上げ、早めの帰宅を促す等、積極的安全策をとる必要があると思う。毎年のように大雪に起因する交通障害が全国ニュースになっている。雪国に住む我々の雪と対峙する体勢に弛みはないだろうか。これは道路の例になるが、20時から24時は「除雪作業(車)優先」等、雪国社会の新たなルールを、合意形成する必要がある。

 除雪は地道な作業だ。腕だけでなく、腰、太股、ふくらはぎも痛くなる。そしてつま先が冷たくなる。除雪作業を30分でもやったことがある人ならわかる。今年は平成元年生まれが30歳になる年。30歳前後でバブル期を謳歌した人たちは60歳前後で定年も近い。若者たちが目指す、ITやIOT、AIの仕事が「脳の仕事」だとすれば、除雪は「足の仕事」であり、「つま先の仕事」だ。社会の足腰が細く・弱くなっている。

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