遅いしあわせ
大雪。2015年に映像化された藤沢周平氏原作のドラマ「遅いしあわせ」。
「遅いしあわせ」 突然の雨に襲われたおもんは桶屋の軒先で雨宿りする。飯屋で働くおもんは、床に伏す母親と暮らしているが、職につかず賭場に入り浸る十八の弟・栄次がいた。1年前、嫁入り先の蕎麦屋に弟がこしらえた借金の取立が現れ、おもんは迷惑をかけまいと離縁を申し出た。おもんは飯屋に出入りする桶職人の重吉を気にかけていた。重吉と話す機会を得たおもんは弟の愚痴をこぼし、なじるが、重吉は弟を擁護し、おもんを励ます。ある夜、母と暮らす長屋にやくざに追われた弟が助けを求めて来るが、おもんは引き戸を開けなかった。賭場の金30両を使い込んだ栄次のため、おもんは売られそうになってしまう。そこに重吉が助けに入る。その際、おもんは重吉の腕に二本線の入れ墨、背中に刀傷があることを知る。重吉、栄次、そして、おもんに“しあわせ”は訪れるのか。
ドラマの中に、船着場や川沿いに石畳を歩くシーンが出てくる。「もしや」と思い、エンドロールを確認して「やはり」と思った。写真は2016年5月に訪れた滋賀県近江八幡市の「八幡堀」。「遅いしあわせ」は、この八幡堀がロケ地になっていた。
八幡堀は安土桃山時代(1585年)に豊臣秀吉の甥である豊臣秀次が八幡山城の城下町と琵琶湖を繋ぐために築かせた水路。琵琶湖を往来する船を寄港させ、「楽市・楽座」によって城下は潤い、後の「近江商人」による町と商業の発展に貢献した。
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