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2017年12月 2日 (土)

<新版>日本語の作文技術

 本屋の文庫本売場で見慣れた黒い背表紙の本を見つけて手にとった。「<新版>日本語の作文技術」。<新版>という文字に惹かれた。本の中身は旧版の一部が削除されただけで、加筆されたものはないようだ。フォントが大きくなり読みやすくなった。

 著者の本多勝一氏は、自分が「人生で影響を受けた5人」の中に入る。本多氏の著作には他の“モノ書き”とは違うルールがある。そのルールは氏の著作のほとんど全て(知っている限り)の表紙をめくった場所に「凡例」として記載されている。

  1.数字の表記は四進法(日本式…数字の3桁ごとではなく、4桁ごとにカンマを打つ)とすること。

  2.人名はその人物が属する国の表記法とすること。

  3.アメリカの国名は合州国と訳し、合衆国と記さないこと。

  4.ローマ字は日本式(訓令式)とし、ヘボン式を排すこと。

  5.外国語の分かち書きのカタカナ表記はナカテン「・」ではなく、二重ハイフン「=」を用いること。

 本多勝一氏は元朝日新聞の記者・ジャーナリスト。本多氏の本を初めて読んだのは今から30年前の1988年頃。19か20の頃。本多氏の本の入り口に、この「凡例」があることは、彼の著作への興味を掻き立てた。なぜなら、本を読むためにそんなルールが適用されるのは初めてだったから。

 ジャーナリストである本多氏に対する評価は様々あるが、自分は1度たりとも「偏っている」と感じたことはない。「本多氏の切り口は真横一文字に水平か、あるいは、一直線に垂直」だと思っている。ほとんどブレない。本多氏は探究的(物事の本質をさぐって見きわめようとすること)な理系人物であり、探求的(あるものを得ようとしてさがし求めること)な文系人物でもある。

 手元にある「日本語の作文技術」は1988年7月の第14刷(朝日新聞社 420円)。「新版」は2015年12月初刷(朝日新聞出版刊 600円+税)。本多氏の著作は多数あるが、この本は後年まで“作文技法の古典”として受け継がれるのではないか。

 旧版には多田道太郎氏(フランス文学者・京都大学名誉教授 1924年12月2日 - 2007年12月2日)の解説文がついている。今日、12月2日が多田氏の誕生日であり、命日でもあること を知り、因縁めいたものを感じた。

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