夏に恋する女たち
「夏に恋する女たち」というドラマがあった。1983年、15歳の夏。
このドラマが放送されていた枠(金曜22時)の前シリーズが「ふぞろいの林檎たち」だった。一時代を作った名作ドラマだ。その後もシリーズ化された。このドラマに出演した俳優たちは、その後、多くが名優となった。原作・脚本の山田太一氏は指折りの名脚本家。主題歌「いとしのエリー」はサザンオールスターズの代表曲。
人気ドラマの後継番組だったこと、放送時期(8月~9月)が夏休み時期と重なったことが「夏に恋する女たち」を視聴する背景にあった。
TBSオンデマンドの番組紹介には「マンションの同じフロアに住む6人のシングル族が繰り広げる恋愛模様を描いたドラマ」とあり、別のサイトには「あるマンションに、訳ありの男女が揃った。バツイチのカメラマン、母親にトラウマを持つ中年ホスト、レイプ経験のある女イラストレーター、画廊商人、離婚直後の独身女、不良娘等々。反目しあい、理解しあった彼らは、最後にはそれぞれの道へと戻っていく…」とある。6人のシングルを演じたのは田村正和、名取裕子、梓みちよ、萬田久子、津川雅彦、原田芳雄。
あまりにも都会的な職業設定や生活環境。個性的な大人たちの恋愛や苦悩。それらは、当時、少年だった自分の心には、ドラマというフィクションではなく、都会のある日常を切り取ったドキュメンタリーのように映っていた。
このドラマの主題歌「夏に恋する女たち」(作詞・作曲 大貫妙子 編曲 坂本龍一)はおそらく作者の意図もあり、あまりメディアに登場しない。美しい旋律、透明感に溢れた歌声は、あの頃、憧れを抱いていた都会や大人、自立、苦悩といったイメージとして刻まれた心象風景を思い起こしてくれる。
木枯らしの季節に「夏に恋する女たち」を記したのは、今日が大貫妙子氏の誕生日だから。
« 市議会の乳児 | トップページ | 時給2,000円 »
「1980年代」カテゴリの記事
- 僕が僕であるために(2021.01.23)
- 映画音楽の巨匠、逝く(2020.07.06)
- 世代(2018.03.29)
- 夏に恋する女たち(2017.11.28)
- 30年遅れのTHE BLUE HEARTS(2017.10.11)