化石燃料車の相棒
化石燃料車という言葉が使用されるようになった。短い期間で広く浸透した。化石燃料とは石炭・石油・天然ガスなどを指し、それらを燃料とする車両が化石燃料車。
フランス、イギリスは2040年までに化石燃料車の国内販売を禁止することを決定した。インドネシアは2040年から二輪車を含む化石燃料車の販売を禁止する。中国は2019年から生産・輸入する乗用車の一定割合を電気自動車など新エネルギー車とすることを義務づける。
10年ほど前、取引先の社長が「レクサス LS」を購入した。1,500万円に迫る価格に衝撃を受けたが、1台の車から“オーラ”を感じたのはその時が初めてだった。心の片隅に「いつかレクサスに乗ってみたい」という想いが芽生えた。
やがて、諸々の条件と環境が整い、「レクサス IS 350 バージョンL」を購入する機会に恵まれた(正しくは「こぎ着けた」)。所有者としてはレクサスというブランド価値の大きさに、使用者としては車の圧倒的な信頼性に、これまでの車とは別格のモノを感じた。この車の最も適した使い方は高速クルージング走行することだとわかった。間もなく、車の本質を予期しない形で実感させられることになった。購入後1年と少し経った頃、毎週、片道120㌔、往復240㌔(うち高速道路を片道100㌔、往復200㌔)を走る生活になったことで、この「相棒」と多くの時間を共にすることになった。そして、高速走行時の安定性、静粛性、燃費等々、ドライブ環境が快適な空間だったことで、この相棒に惚れ込むことになった。2010年8月に購入。先月で丸7年が経ち、今月からは8年目になった。
【デザイン】 コンパクトで上品なセダンであるものの、“4ドアのクーペ”のスタイリング。所有するブラックパール色は、漆黒とか深い黒では当てはまらない色。「透明なブラック」。輝いている。
【走行性】 NA3500㏄のエンジンはレスポンスが素晴らしく、パワフル。高速走行からの再加速時には、むしろ静粛性が増すようにさえ感じる。ナビ、クルーズコントロール、パドルシフトなどドライバーを支援するシステムも多彩で快適。特に「VDIMシステム」による車両の挙動を制御し安定させるシステムは、雪の路面などで機能し、危険回避性能を実感する。
【居住性】 運転席・助手席は快適(シートヒーター&クーラー、ツインエアコン等を装備)であるものの、実質的にはクーペであるため、後席の居住性は、この車唯一の落第点。特に後席足下のスペースが厳しく、乗車させるのは気の毒に感じてしまう。シートの作りや座り心地は悪くないだけに残念。
【操縦性】 スポーティーな運転をする趣味も技術もない。パワーモードを選択すると、アクセル反応性が向上する(燃費は低下する)。VDIMシステムの効果もかなりあるはずだが、それを意識させない。
【積載性】 この車にとって物を運ぶのは目的ではなく機能なので、必要十分。ゴルフの趣味はないが、ゴルフバッグ×2+ボストンバッグ×2程度は入る。この車でキャンプに出掛ける。テント用具一式、折りたたみチェア×2、寝袋、マット、調理道具等を積載できる。
【維持費】 燃費は高速で12.0㌔、街乗りで9.0㌔。同排気量ではトップクラスだと思う。税金・維持費は相応にかかるが、それが原因で手放すことにはならない。
相棒は化石燃料車。彼の存在が虐げられているような気がして、今日は彼を讃える文章を記した。
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