危険な党
衆議院選挙が公示された。衆議院解散の観測報道が流れたのが9月中旬。安倍首相が臨時国会で解散すると表明したのが9月25日。同日、女性初の総理大臣を目指していると言われる小池東京都知事が党首を務める「希望の党」が結党。28日に衆議院解散。希望の党に合流を拒否されたリベラル系の「立憲民主党」が10月3日に結党。
ニュースやワイドショーの物真似をしても仕方ないので手短に。
「希望の党」結党会見の日。突然の解散劇にもかかわらず、彼女らにとって解散は驚きではなかったようで、政党CMが準備されていた。一方、希望の党に合流を拒否され、リベラル派の受け皿として誕生した「立憲民主党」は、一晩で作られたというロゴマークを始め、愚直な振る舞いだった。水脈は同じだったはずだが、対照的な結党風景になった。
リベラルを削ぎ落とした希望の党は、自民党と何が違うのか。奇妙な党だ。諸々の政策に不一致はあっても、護憲だけは譲れない人々にとって、改憲勢力である希望の党は端から選択肢にならなかった。結果として、自民党の諸施策に加勢・加担する集団、“加計・森友隠し”に手を貸す徒党にしか見えない。「穏健な保守」を標榜しながら、リベラルをあぶり出し、弾き、厄介者扱いした党首の姿は、昔、クラスにいた成績優秀な女学級委員のようでもある。希望の党は奇妙な党である以上に危険な党でもある。「策士策に溺れる」ということがないこともない。連戦連勝は続かない。
一方、排除された側の立憲民主党は、判官びいきな古き良き日本人気質と、憲法だけは別問題と考える層の同情票や応援票が集まる気がする。“木っ端みじん”ということはないだろう。
公示日をもって、すでに選挙戦は終盤といったところ。先月の今頃は3県で行われる補欠選挙の日程でしかなかった。解散表明から投票結果が判明するまでのひと月は日本の政治史に残る分岐点になる。
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