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2017年6月 8日 (木)

円錐角膜の世界

Img_20170604_131249 妻がドラッグストアで老眼鏡を買ってきた。簡易的なもので、2,000円だったと言っていた。俺も近くの文字が見えにくい。老眼が進んでいる。

 41歳の時、自分が眼に疾患を持っていることを知った。眼鏡を新調する妻につきあって眼鏡店を訪れ、ついでに視力検査をした際に店員が教えてくれた。「お客様の眼は視力の問題ではないですね」と。後日、改めて眼科を受診して診断されたのが「円錐角膜」(えんすいかくまく)。

 円錐角膜 … 角膜は半球状の形状をした厚さ0.5mmほどの透明の膜で、光を目の中へ導くレンズの役割を担っている。この角膜がなんらかの原因で進行性に薄くなり、円錐形に突出する病気を円錐角膜という。円錐角膜は主に思春期に発症、近視や乱視が進行し、視力が低下する。進行が進むと眼鏡による視力矯正も困難となる。円錐角膜はまだ不明な点の多い疾病で、謎に包まれた疾患である。

 41歳になるまで、その疾患に気づかなかったのには理由がある。15歳の時、体育館で頭部・左眼球の上を打撲した。眼科を受診し、眼に異常はないとの診断だったが、ちょうどその時期から左目の視力の低下が進んだことから、その打撲が原因で視力が低下していると思い込んでしまった。

 19歳で自動車免許を取得する際、初めて眼鏡を作りに行った。22歳で眼鏡を買い替える時。毎年の健康診断。人間ドック。そのすべてで、眼の病気であることは判明しなかった。左右の視力差を抱えたまま、人生の大半を過ごしてきた。「思春期に発症する」、「視力の低下は左右の進行度に差が生じる」。今思えば、すべての症状が円錐角膜のそれと合致する。

 円錐角膜はほとんどの場合、ハードコンタクトレンズで矯正できる。しかし、なかなかハードコンタクトレンズが合わない。装着していると眼がかゆくなったり、極端に疲れたりする。眼球と瞼の間が狭く、レンズと瞼が擦れているようだ。完全に治すには角膜移植しか方法がないという。便宜的にソフトコンタクトレンズをつけるだけで、見える世界・住む世界が変わる。あんなビルが見えたのか、こんな色をしていたのか。寸前にまで近づいて来なければわからなかった知人の顔もよくわかる。何よりも、鏡を眺めて自分の顔がこんなにもシワとホクロだらけなことに驚いた。

 もう30年近く、“ボーっとした”円錐角膜の世界で生きて来た。いいことはひとつも無いが、徐々に進行してきたせいか、特段、悪いこともない。あと30年、ボーっとした世界で生きても構わないと思っている。円錐角膜と老眼の進行が、人生のタイムリミットまで猶予をくれるならの話だが。

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