科学者は戦争で何をしたか
憲法記念日。2008年にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英氏(1940.2.7-)の著書「科学者は戦争で何をしたか」(集英社新書 2015年8月発刊)の紹介文を抜粋して引用する。
益川氏が自身の戦争体験と反戦活動を振り返りながら、戦時中、科学者が大量に動員された歴史を振り返り、現在の日本が再び同じ道をたどろうとしていることに警鐘を鳴らす。「科学の進歩は何の批判もなく歓迎されてきたが、本来、科学は中性であり、使う人間によって平和にも軍事にも利用可能となる。そのことを科学者はもちろん市民も認識しなければならない」と説く。解釈改憲で戦争する国へと進む政治状況に危機感を抱く益川氏が、理論物理学者ならではの本質を見抜く洞察力と、人類の歴史を踏まえた長期的視野で、戦争をなくすための方策を提言する。
益川氏を含め、「戦争体験がある人」は、戦争はもちろんのこと、戦争に続く道・戦争につながる道を否定する。一方、正義の戦争をする準備が必要と主張する人は「戦争体験がない人」ばかりだ。核開発を進める北朝鮮や生物兵器を使用したとされるシリア、その他のテロリスト集団も、戦争をする準備をしている。そして、彼らもまた、「自分たちは正義だ」と言っている。
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