81歳の父
父・81歳の誕生日。
持病に高血圧と軽度の糖尿病を患っている。それなのに甘いものを食べている姿をよく見かける。何度も何度も禁煙したタバコは、どうやらもう止めるつもりはないらしい。
こう書くと、不摂生なように思えるが、そうでもない。大腸ガンを患ったが、定期的に受けている検査での早期発見が命を救った。脊柱官狭窄症の手術で片足を引きずるようになったが、グラウンドゴルフに励んでいる。自分の健康や体というよりも、命に対しては、真剣に向き合っている。
父の枕元には、歴史小説や評論本などが置いてある。就寝前に本を読む習慣は変わっていない。それらの本のほとんどが、近所の市立図書館から借りてきたものだ。これも父らしい姿だ。
80歳を過ぎ、多くの親友が去った。しかし、父は泰然自若としているように思う。慌てず、騒がず、落ち着いている。
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