2023年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ

« 2017年 東京優駿 | トップページ | 警察官と消防士 »

2017年5月29日 (月)

2年前の傷 2015.5.29 PM8:00

 人生には後悔する出来事がたくさんある。サラリーマンとして生きる上で、「気持ちの切り替え」とか「オンとオフの切り替え」がかなり重要な要素であることはわかっていても、それがうまくいかないこともある。

 2年前の5月29日は月末の最終営業日だった。その日は毎月恒例の飲み会の日だった。駅前の居酒屋は空席が目立っていたが、予約で満席だった。金曜日だ。参加者は男ばかり10名ほど。午後8時を回った頃、次第に満席になった店内に怒声が響いた。店内は騒がしかったが、その声は周囲のテーブルに届き、店内は一瞬、静まり返った。

 怒りの矛先はひと月前、新しい職種にローテーションされてきた20代半ばの青年に向けられていた。およそ20歳年上の上司に怒鳴られていた。最終的に上司の言い分は「自分の目の前から消えろ。飲み会の席から退去せよ」ということだった。それは教育でも、指導でも、叱責でもない。自らの権力を誇示・威嚇し、まるで自らのストレスを発散・解消しているかのような怒り方だった。

 上司は内々の飲み会では、いつも決まって遅れてやって来た。上司を待つ部下たちは、決まって“席決め”で一悶着した。上司の前や隣席に誰が座るか。標的になる彼への風当たりを少しでも和らげよう、防ごうという思いもあったが、なかなか決まらない。なぜなら、皆が上司の前席や隣席には座りたくないからだった。

 彼はひとしきり罵倒された後、退去するよう命じられた。隣席にいたグループの客は「パワハラですね」とつぶやいていた。そんな客をなだめ、お騒がせしますと謝った。ここは会社ではなく、勤務時間でもない。その命令に従う必要は無かったが、彼が上司の部下であることに変わりはなかった。勤務時間を終えた後、発動された帰宅命令に彼は従った。

 飲み会の後、彼を慰めることはできたが、飲み会の席上で、彼を庇うことができなかった。人生には後悔する出来事がたくさんある。2年前の傷跡は、一生消えることはない。

« 2017年 東京優駿 | トップページ | 警察官と消防士 »

企業」カテゴリの記事