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2017年3月21日 (火)

枠の中・箱の中

Media 数日前に「芸能人の給料」について記した。たまたま、こんな話題が伝えられていた。

 ある脳科学者が「日本のお笑い芸人たちは上下関係や空気を読んだ笑いに終始し、権力者に批評を向けた笑いは皆無。大物と言われている人たちは、国際水準のコメディアンとかけ離れている」と、日本のお笑い界を批判した(ツィッターへの投稿)。 

 これに対し、芸人の何人かが反論した。1人は「脳科学者自身が面白くないから全然刺さらない」とコメント。コメディアンが権力者を批評することについて、「笑いの取り方として一番安易な方法。誰でも出来ることだから日本の芸人はやらないだけ。そこを言われても」と批判に疑問を呈した。また、別の芸人は「うるせえよバカ」と反論した(笑)

 脳科学者の「つぶやき」を意見とか指摘と受け取るのもどうかとは思うが。煽っているインターネットメディアの問題はひとまず置いておく。まず、脳科学者の考え方を当たっていると受け取るか、的外れだと受け取るか。自分は「的外れではあるが、つぶやきに賛同する」。理由は、結果的にその通りであり、事実だからだ。

 反論を行った芸人は、脳科学者が「上下関係や空気を読んだ笑いに終始する」という指摘が「全然刺さらない」としたが、これには別の意味があるように思う。現在のメディアで「空気を読まなければ、継続的に・効率良く・高いギャラを得ることができる“キー局テレビ番組”に出演できない」という現状がある。テレビという枠の中・箱の中に居ることしか、彼らが生きる場所はない。つまり「あんた、何言ってるの」ということだろう。確かに、的外れな意見は刺さらない。

 脳科学者の発言は、反トランプで彼を風刺し、笑いに変える欧米のコメディアンとの対比で述べられたものだと思う。しかし、欧米のコメディアンたちは「支持を受けるために批判している」という側面があるのではないか。つまり、彼らも日本の芸人と同じように“空気を読んで”権力者を批判している。

 権力や権力者を批判し、政治的発言をする芸人に嫌悪感を感じやすいのが、我々(日本)の社会。権力や権力者を批判し、政治的発言をする芸人に親近感を感じやすいのが、欧米の社会。そのような社会の違い、文化・風土・風潮の違いを度外視して「国際水準」という批判は的を外している。そのことを日本の芸人たちは売れるために知っているし、養成学校を卒業して芸人になるご時世に、脳科学者のつぶやきは唐突でもあった。

 但し、日本の芸人たちが権力を批判する役割を全く負っていない、やっていないというのは紛れもない、確固たる事実だろう。大物芸人のテレビ番組に首相や大臣等が出演する機会が稀にある。普段は絶妙な突っ込みを入れる芸人たちが“借りてきた猫”のように権力者たちの横で愛想笑いしている姿を観ることになる。所詮、芸能界の枠の中・テレビという箱の中なのだ。

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