健やかに生きる
何歳まで生きたら、長生きしたと言えるだろう。平均寿命から考えて、80歳を長寿とは言わない。90歳が目安のように思う。そう考えると、長生きしたいとは思わない。80歳からの10年、あるいは、89歳からの1年、健やかな余生を送っていることが想像できない。
長生きすることは、世の中が進歩する姿を目の当たりにすることでもある。これからは、ロボットや自動運転が当たり前の世界になっていく。更にそれ以上の技術革新が進み、現在とは様変わりした日常が訪れているだろう。文明の進歩に感心し、その恩恵に授かるだろうが、取り残された気持ちにならないものだろうか。
48歳の現在、「無理が利かなくなっている」と痛感する出来事があった。自分の不摂生が招いたこととはいえ、若い頃は無理が利いた。無理とか体の負担とかいう範疇にも入らなかったことが、体調不良を招くようになった。
誰にも迷惑をかけず、眠るように死にたい。
もし迎えが来たら、ジタバタせずにその迎えに乗りたい。ある宗教では、阿弥陀如来様が迎えに来るのだという。
物を捨て、身軽でいることが大切だと感じる。死ぬ準備には早いかもしれないが、物に固執せず、軽やかに過ごしたい。逆説的になるが、そのためには健康でいなければならない。腹に付いた脂肪、生活に付いた怠け癖も、物を捨て、身軽でいることに含まれるんだろうと思う。
【後記】3月1日厚生労働省発表。日本人の平均寿命(2015年調査)は、男性が80.75歳、女性が86.99歳となり、過去最高を更新した。
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