年度代表馬と日本最強馬
昨日、2016年JRA賞授賞式が行われ、年度代表馬キタサンブラックとオーナー・北島三郎氏らが表彰された(net keiba news)。キタサンブラックはG1レース2勝(天皇賞・春とジャパンカップ)だが、G1の2着(有馬記念)、3着(宝塚記念)、G2の1着(京都大賞典)、2着(大阪杯)があり、G1レース2勝(菊花賞と有馬記念)のサトノダイヤモンド、G1レース3勝(天皇賞・秋と香港マイル、香港カップと海外レース2勝)のモーリスを抑えて年度代表馬に選出された。近年、日本競馬界が侵されている“凱旋門賞絶対主義”の下、海外レースを2勝し、距離延長して臨んだ天皇賞・秋を制したモーリスは特別賞でお茶を濁された感は拭えない。しかし、JRAの売上貢献度でキタサンブラックが選出されたことは妥当だし、異論はない。年度代表馬等の選出投票結果はJRAのHPで公開されている。過程が「公開されている」ことが素晴らしい。
年度代表馬の一覧を眺めていると、納得の名馬ばかり。だが、自分が1番好きなスペシャルウィークは選出されていない。そして、以前、日本最強馬ってどの馬だろう?と、なんとなく考えたことがあり、その時に導き出した馬名も出てこない。
最強とする前提を「無敗で競走馬生活を終えていること」、「G1レースを勝利していること」と仮定してみた。無敗で競走馬生活を終えたG1馬は5頭。クリフジ(11戦11勝)は、1943年のダービー、オークス、菊花賞を勝利。牝馬でありながら牡馬混合のクラシックを2勝し、11勝のうち7勝で2着と10馬身以上の差をつけて勝利していたというから「日本最強牝馬」と言える。トキノミノル(10戦10勝)は、1950年の朝日杯を制し、翌年の皐月賞とダービーをともにレコード勝ちしている。マルゼンスキー(8戦8勝)は、1976年の朝日杯を勝利。歴史的名馬・ニジンスキー産駒の持込馬のため、クラシックには出走できなかった。フジキセキ(4戦4勝)は、サンデーサイレンスの初年度産駒。1994年の朝日杯、翌年の弥生賞で楽勝したが、皐月賞前に屈腱炎を発症し、引退した。アグネスタキオン(4戦4勝)は、2001年の皐月賞を勝った後、屈腱炎により引退。同期にジャングルポケット、クロフネ、マンハッタンカフェ等がいる黄金世代の一角を担った。
無敗で競走馬生活を終えたG1馬は、1頭も年度代表場に選出されていない。「無事之名馬」の格言が示すとおりだ。最強とする仮説を覆す反証がないことから、◎フジキセキ(1992.4-2015.12)、○アグネスタキオン(1998.4-2009.6)。そして▲マルゼンスキー(1974.5-1997.8)が自分なりの答え。
明日も続きを記す。