冬の晴れ間/雪消し日和
「梅雨の晴れ間」ならぬ「冬の晴れ間」になった。そんな言葉があるのかどうかわからないが、少なくとも雪国ではそんな日がある。10日の夜から続いた寒波は、丸々1週間居座った。冷凍庫の中で過ごしたようなものだ。8日ぶりの晴天、町のあちこちで玄関前の雪消しをする姿があった。
雪国に住む人々は、雪のない冬を望んではいない。雪は降って当たり前のものという覚悟がある。冬を迎える準備、越冬の準備をしている。降雪があることで成り立つ商売もある。みんなが望んでいるのは、適度に降って欲しいということ。降雪が続き、積雪すると「根雪」になる。根雪は道路の通行を妨げ、車線が減少する。除雪されていない舗道が多く、歩行者は苦労する。消雪パイプが敷かれた道はシャーベット状の道(ちょっとした水路状態)になり、足首やそれ以上にまで水に浸かることも珍しくない。
消雪パイプが敷設された雪国の道は、中央が高く、端にいくほど低くなる“高低差”がついている。また、経年劣化した消雪パイプのサビや地下水を使用していること等から、茶色に変色している道路も多い。身体障がい者用の黄色い誘導ブロックも雪国では現実的ではない。
今日は晴れたが、雪を消すために有効なのは太陽ではなく雨だ。2日間雨が降れば、天然の消雪パイプとなって道路や屋根の雪も消える。雪国では恵みの雨は冬に降る。今晩は雨。明日からはまた寒気に覆われる。雪国の冬はまだ、折り返し地点まで来ていない。