拡がる住宅地 1
長岡市では住宅地が拡がっている。宅地開発は、北からパークタウン稲保、グリーンヒルズ東栄、悠タウン花園南、クロスタウン旭岡、ドリームタウン前川東、川西地区はララコート喜多町。まだ他にもあるかもしれない。長岡市は合併後も人口減少が続いている。周辺市町村や山間部からの転入需要もあるようだが、建物を見る限りほとんどが若い世代の家だ。経済対策としての住宅施策、低金利ローン等の効果と前向きな捉え方も可能だが、違和感もある。
銀行による不動産業向けの新規貸出額がバブル期を超え、26年ぶりに過去最高となっている。低金利を背景に住宅・オフィスビル等の需要が底堅く、日銀の異次元緩和マネーが不動産市場に流れ込んでいる。地方経済が建設業に依存していた時代から表面的には脱却したのかもしれない。だが、建設業は裾野が広く、公共事業に限らず、住宅や小売店舗の建設は経済対策として手っ取り早い。喚起された需要こそ、バブルではないのかと疑ってしまう。
バブル期、土地神話を後ろ盾にした経済が崩壊していても、バブルの火種はくすぶり続けていた。下降期であっても、停滞期の大底と比べたら需要はあった。バブル期に計画されたリゾートマンションやゴルフ場開発は、バブル破綻後に傷を拡げた。攪拌(かくはん)され、泡立ち始めた泡を止めることは容易ではない。
宅地造成には多額の開発資金が必要だ。緩和マネーが市中銀行を通じて田舎の田畑を宅地に変えていく。全ての造成事業が成功に終わるわけではない。拡がる宅地の行く末が、少し心配になる。造成地では今日も槌音が響いていた。降雪前の入居を目指し、新年を新しい家で迎えるために。
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