アメリカ大統領選挙
アメリカ大統領選挙は、先週、候補者による2回目のテレビ討論会が行われた。メディアは悪口レベルともいえる非難の応酬となった討論会を「記憶に残る不快な見苦しい討論会」と酷評した。
アメリカ大統領は、世界一の権力者を選ぶ選挙でもある。権力者が人格者である必要はなく、むしろ権力者が人格者であることは少ないが、相応に思慮深くなければ、世界中が振り回されることにもなりかねない。
アメリカの大統領選挙ほど、勝者と敗者に格差が生じる選挙はないだろう。勝者は世界情勢の主導権を握り、歴史に名を刻む。一方、敗者は忘却される。しかし、共和党候補者のトランプ氏は、例え敗者となっても名を残す人物といえる。女性蔑視発言の録音記録が暴露される等、過去の言動が取りざたされ、大統領選から撤退かとも報道された。合法的な節税も、額が巨大なだけに非難を受けている。ここに来てオバマ大統領の支持率が上昇しているように「ヒラリーは嫌だが、トランプはダメ」という流れが強まり、大勢は民主党のヒラリー候補に傾いたようだ。有力紙であるワシントン・ポストもヒラリー候補支持を表明している。
しかし、どうだろう。8年前、当時47歳のオバマに“チェンジ”を期待したアメリカは、今回の選挙で安定した政治(=ヒラリー候補)を選択するのだろうか。品格面では自身も夫も、いくつかの失敗を経験している。ずっとビジネスの世界でのしてきたトランプ氏と、政治、大統領の妻としてキャリアを積み上げてきたヒラリー氏とでは、矢面に立つ機会も違うだろう。
今年は“Brexit(ブレグジット)”も起きた。トランプ氏は大富豪でありながら、既成政治に不満を持つ層の受け皿だ。スキャンダルと汚名にまみれても、あえてなお、既存の枠組みを“チェンジ”できるのはトランプ氏だろう。2期8年ではなく、1期4年務めさせる価値はないだろうか。
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