晩節?を汚す 2/祝・イチロー
イチローが日本プロ野球とMLBの通算安打数で、ピート・ローズの持つ最多安打数を上回った。日米通算4257安打(NPB1278安打 MLB2979安打)。
この記録が「日米合算記録」であることで、見解が分かれているという。
ローズ氏は1989年に野球賭博に関わっていたことが発覚した。賭けの対象には自身が監督を務めたレッズが含まれていたことから、永久追放処分を受けている(現在も解除されていない)。
「日本では俺をヒット・クイーンにしようとしている」ローズ氏はイチローの記録が「日米合算記録」であることから、これを世界記録とする見解に懐疑的と伝えられている。
イチローの記録が、今は永久追放処分を受けているローズ氏の記録と半生にスポットライトを当てた。ローズ氏の『記録』は何一つキズついていない。一方、イチローの記録は、永遠に「日米合算記録」の注釈が付くだろう。
ローズ氏は、自身に対する『記憶』を塗り替える機会を失った。ローズ氏は75歳。彼が「俺はヒットキングの座を降りる。イチローがヒットキングだ」と発言し、イチローを祝福する姿勢を見せたとしたら、ファンやメディア、MLB関係者はどんな反応を示しただろう。その人格は「いつまでも永久追放処分の汚名を着せておくべきではない」との声が高まり、彼が望む米国野球殿堂入りの扉も開いたのではないだろうか。彼は晩節を汚した。
人は記録があるからといって、人格者ではないことを痛感する。人は歳を重ねたからといって、立派になるものではないことも。
<追記> “ローズ超え”を果たしたイチローの試合後の会見から「いろんな数字を残した人、偉大な数字を残した人はたくさんいますけど、その人が偉大だとは限らないですよね。偉大な人間であるとは限らない」 米国野球殿堂入り投票において得票率5%の足切り基準が設定されている。現在の選考ルールではローズ氏の殿堂入りは困難。
« 晩節?を汚す 1 | トップページ | 川べりの花 1 »
「柏町9階」カテゴリの記事
- コロナ後の世界 1(2020.05.01)
- 「怒りの葡萄」の時代へ(2020.03.14)
- 辺野古(2018.12.14)